「私はちゃんと伝えました!」

こんなことを言われた、あるいは言ってしまった経験はないだろうか。

何度も言っているのに変わらない、動いてくれない、理解してくれない。

伝えている本人からすればイライラするしタメ息もつきたくなるだろう。

だけど残念ながらビジネスにおいては「伝えたかどうか」は重要ではなく、「伝わっているかどうか」が全てといっても過言じゃない。

相手に問題があったとしても、結局変えられるのは自分の行動だけ。

自分の伝え方に問題がなかったか、もっと良くできないかを考えていくしかないんだよね。

「伝え方」を分解してみよう

相手に伝わるかどうかは「伝え方」にかかっている。

これは持論だけど、ひとくちに「伝え方」といってもいくつかの要素に分けることができると思っていて、ぼくは自分の部下や後輩には次のように教えている。

「伝え方」=「①伝える内容」×「②伝える状況」×「③言い方」

この①~③のそれぞれを普段から意識することで、全員に100%伝わることは難しくても「伝わる確率を上げていく」ことはできるはずなんだよね。

①伝える内容

これはもっとも核となる部分。

大事なのは相手の立場、レベル、動機に合わせてあげること。

たとえばアルバイト君に「会社の業績が下がっているからもっと接客を頑張ってほしい」なんて言ったところで何も変わらないだろう。

アルバイト君には会社の業績なんて想像もつかないし、そもそもどうでもいい。

会社のためじゃなく自分のために働いてるんだから。

それよりも「こうするとお客様が喜ぶ、助かる」「これをやることで身につくものがある」「こういうことが就活に役立つ」といった内容にしてあげた方が何倍も伝わる。

結果として接客を頑張ってくれて売上に繋がっていればそれで目的は達成される。

正論を並べるだけでも、上から言われたことを伝書鳩のようにそのまま伝えるだけでもダメってこと。

自分の言葉に置き換えてあげなきゃね。

②伝える状況

意外とおざなりにされているのがこれ。

でも本当に伝わってほしいと思うなら結構大事なんだよねー。

ちなみにこの”状況”はさらに分解して「状況=タイミング+場所」と考えることもできる。

②-1:伝えるタイミング

何かミスや問題が発生したとして、日にちが経ってから内容を共有してもすでに皆の温度感は下がっていて真剣には聞かない。

一日の仕事が終わってヘトヘトのタイミングで重要なことを伝えてもすでに集中力は切れているかもしれない。

金曜日の終業前なんてすでに頭の中は飲みに行くことでいっぱいかもしれないし、土日で遊んでいる間に忘却のかなたに飛んでいるかもしれない。

相手のモチベーションが下がっているときに新しいことを求めても期待する効果は得られない。

モチベーションを回復させてあげることを先に全力でやるべき。

大事なことほど伝えるタイミングはいつが最適なのかをちゃんと考えたほうが良い。

②-2:伝える場所

これは単純に”Place”としての場所のことだけでなく、シチュエーション的な意味も含む。

例えばA君が個人的なミスをしたとしよう。

そのことを皆が集まっている朝礼の場で叱ったとして果たして期待する効果は得られるだろうか。

叱られている本人はミスの反省よりも恥ずかしさのことばかり考えているはず。

下手すりゃ「皆の前で言わなくてもいいじゃないか!!」と反抗心を植え付けることになり逆効果になっているかも。

それならA君だけを別場所に呼び出して二人きりでやったほうが温度感も伝わりやすい。

※ただし皆への注意喚起やマインドセットを目的として意図的にやっている場合は別。そのときはスケープゴートにする相手はちゃんと選んであげよう。後からのフォローも忘れずにね!

また、基本的に人は「全」に対して発信されたことは自分事ではなく他人事として軽く受け止めてしまう傾向がある。

「誰かがやってくれるだろう」みたいに分散しちゃうわけだね。

そういう場合は多少手間はかかっても個人ごとや数人ごとなど何回かに分けて伝えてあげよう。

本当に大事なことならそれぐらいの手間は惜しんじゃダメ。

むしろそっちのほうが後々ラクチンになることも多い。

③言い方

どれだけ意味のある内容をシチュエーションを考えて伝えたとしても、言い方が不適切だと結局伝わらない。

感情に任せて怒鳴ったり、深刻なことをヘラヘラ話したり、相手の目を見ずに話したり。

人は感情の生き物なので声のトーンや大きさ、見た目からも様々な情報を読み取ってしまうのだ。

お客様に「いらっしゃいませー」と言っても顔が無表情だったり声のトーンが低かったりすると全くウェルカムな感じが伝わらないのも同じやね。

オマケ:+αの要素

さてさて、ここまで「伝え方」を自己流で分解して見てきたんだけど、実はこれを良くも悪くもするスパイス要素がある。

それが「信頼関係」だ。

ぶっちゃけ信頼関係がガッチリと作られていれば多少シチュエーションや言い方が未熟でも相手に伝わりやすい。

なぜなら聞こうとしてくれるから。

こちらが言わんとしていることを汲み取ろうとして自分たちで補完してくれる。

これはもうめちゃくちゃ強い。

反対にどれだけ良い内容でシチュエーションにも言い方にも気を配っていたとしても信頼関係がないと伝わりにくい。

なぜなら聞く耳をもたれていないから。

心を開いてくれていないから。

ただしこればっかりは日々の積み重ねなので一朝一夕で変えるのは難しい。

だからといってガッカリする必要は全くなし!

そんなときこそ焦らずに①~③を意識して実践してみよう。

相手に伝わる伝え方を意識していればその積み重ねが信頼になるから。

ABOUTこの記事をかいた人

某ライフスタイルブランドのチームマネージャーをやっている30代。 ”デキる人になりたい(チヤホヤされたい)”という下心で頑張っています。 仕事の考え方、マネジメント論、コダワリ等について小ネタをお届けしていきます。